「賢い人の秘密」を読んでみた

この本は本屋に行って題名だけで惹かれて購入したものだ。

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ビジネス書だと思い購入したのだが実は哲学書だった。著者がクレイグ・アダムスという海外の人なので余計に難しい内容であった(翻訳者の技術によって読みやすくなる場合もあるが)。

まず賢いということはどういうことか。それは”知識”があるのではなく、”知性”があるのである。知性とは何かを知っているのではなく、どう思考するかということである。この思考の設計図と呼ぶべきものを明らかにしたのが、アリストテレスである。

アリストテレスが発見した思考の仕組み6つの概念がある。賢い人の思考法として1つ目は、論理力がある(演繹)、2つ目は自分を疑う(帰納)、3つ目はたとえ話がうまい(類推)、4つ目はでたらめを見抜く(実体「それは何か?」)、5つ目は曖昧さを避ける(意味「その意味は?」)、6つ目は一つの真実に縛られない(証拠「何が証拠か?」)。

6つの中身について記述するのは、知識のほうに傾いていく気がしたので書かないが、刺さった文章として、「自分の主張も他人の主張も平等に扱うという姿勢を保てないのは、気持ちが張り詰めている時だ。せりあがる不快感やパニックを押さえつけ、正直に、オープンに忌々しい新案を受け入れる。本当に賢い人は、迫りくるパニックの予感をやり過ごし、考え直すことができる心の強さを持っている。人の知性は、度胸の上に成り立っている」

賢くなるには思考法を学ぶことも重要だが、ようはその人の精神力ということか。小心者の私が賢くなるのは厳しいようだ。