「バカと無知」を読んでみた

ある日、YouTubeを見ていたら岡田斗司夫が「YouTubeなんかよりこの本を読め」と言っていたので、それに乗っかって「バカと無知(橘玲著)」を読んでみた。

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全体として、脳科学等の社会実験結果を提示しながら、人というのはこういう動物だ的なことが記されていて、結構面白かった。

まず人というのは”徹底的に社会的な動物である”ということ。だから『自己』というものがあるのにもかかわらず『集団』の中で生き抜いていくDNAを有史以来受け継いでいる。その最大の武器が『脳』なのだと思う。この脳があまりにも発達したがゆえに、いろんなことを考え、悩み、人を傷つけ傷つけられていく人生を送っているのだ。

タイトルの「バカと無知」であるが、無知とは正しい知識を持っていないことと定義される。一方、バカとは愚かで能力の低いものと記されている。

問題は「バカの問題は自分がバカであることに気づかないことだ。なぜならバカだから」ということで、ダニング=クルーガー効果というそうだ。職場を含め我が国においての社会は一般的に民主主義で成り立っているが、自分がバカだと気付いていないバカに引きずられて不合理なものになっている。賢い人もバカも「自尊心」があって、これが話し合いで成り立っている社会をややこしくする。

たぶん性善説に基づき(この人はバカではない)会話をしている以上(言い換えればこの人はバカだと明確な判断ができない以上)、今までもこれからも、人はバカに引きずられ最善な結論を導き出せないのだろう。

バカに引きずられないためには、独裁的に意思決定していくしかない(どこかの知事のように)のだが、独裁者がバカでないとは限らないよね。まぁ最大の問題は、バカはバカであることに気づかないのであり、バカも自尊心があってバカに見せないようにするから、問題解決の手立てはないのではと思ってしまった。

自分もバカだと思って下手に影響を及ぼさないよう気を付けるか、バカではないと判断して自分だけを信じて突き進んでいくか。どっちなんだろう。