「知的ストレッチ入門」を読んでみた

本を読んでいる中で、影響を受ける著者も少なくない。自分にとってかつては”大前研一”であったり、ここ数年は”瀧本哲史”や”橋下徹”であったりする。でも一番影響を受けたのではないかと思われるのは、本書「知的ストレッチ入門」の著者である”日垣隆”ではないか。そこで「知的ストレッチ入門」を再読してみた。

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身体のストレッチと同様、様々な負荷をかけることにより、知的能力も向上する。ただしむやみのやっても意味はなく、やり方・考え方を工夫しないといけない。

知的ストレッチの基本3原則として、「インプットは必ずアウトプットを前提にする」「うまくいった諸先輩の方法をどんどん採り入れる」「おのれを知る」とある。特に一番目の”インプットはアウトプット前提”は非常に心に刺さった。なぜなら、いつ使うかわからない情報・資料をせっせこため込む人間が周りにいたから。自分はああはならないと肝に銘じた。

あと「アウトプットの本質とは”情報収集”→”分析”→”解釈”→”評価”のプロセスを経た付加価値の創造である」という言葉も納得してしまった。

インプットする行為の代表である本を読むという行為については、「書いている人の脳の中にいったん入るということにほかならない」とある。著者のいうことを正確に読み取ることが必要なのであるが、自分の場合、なかなか一度読んだだけでは読み取ることができないのが現状である(まぁ再読して新たな発見があるという楽しみもあるが)。

ただ、齋藤孝氏も本に線を引いたりすることを推奨しているが、未だに本に直接線を引くことができないのは、貧乏性からなのであろうか。本書では「線を引いたりメモを書いたり付箋を貼ったり角を折ったりした、この世に1冊しかないあなただけの『外部脳』としての本」とあるが、貴重な”外部脳”として以降、買った本はすべて取ってある。

また知的活動において何よりも重要なのは「質問をどう作るか」とある。質問を作るのは、仮説を構築する作業であり、その設問に対する回答は相手が納得するものでなければならない。

これも刺さった言葉であるが「説得するあなたが納得するストーリーで、相手が納得するとは限らない」としている。この相手を説得する力が”アウトプット力”である。仕事上、レポートを書いたり、想定Q&Aを作ったりするのだが、この考え方は非常に役に立っている。なので、自分が何を言いたいかではなくて、相手の頭の中で何が起きるのかということを考えながらアウトプットすることをなるべく意識して仕事をしている。

これも本書に出てくる刺さった言葉で、よく周囲の人間に行っているのだが「仕事と趣味は何が違いかといえば、依頼と締め切りがあるかどうかだ」は、仕事をするうえで大事な前提であると思う。締め切り(仕事の期限)を守るというのは当たり前であるが、依頼者(上司等)が何を望んでいるか、何が知りたいのかを意識してアウトプットすることが重要である。前にも書いたが、自分の言いたいことばかりを連ねた資料は意味がないと思う。

そのほか、電子機器など新しいツールの活用やブログ・Twitterのすすめなど、自分にとって当時(2010年)は刺激的な内容が記された本であった。