「限りある時間の使い方」を読んでみた


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”人生100年時代”、”50代からは第2の人生を”と書かれた本に目が行くようになったが、本書のイントロにある「80歳まで生きるとして、あなたの人生はたった4000週間だ」にひかれた。タイトルにあるように限られた時間、残された時間をどう使っていけばいいのだろう、と興味がわき読んでみた。

まず自分の状況と違うと感じたのは、欧米人の忙しくて時間のない(大統領のように働いている人)向けに書かれた本であるということ。筆者(オリバー・バークマン)も大量の仕事をこなすため様々な努力をしてきた人のようである。なので、根底にあるのは、「忙しすぎて時間がない。有限な時間を今後どのように使っていけばいいのか」ということに何らかの答えを出そうという本である。

そのため少し自分の置かれた状況(そこまで忙しく、時間がないということでもない)と違ってはいたが、参考となることもあった。

まず自分が存在する、今ここにいるということ、その時間の流れになかにいることを改めて認識すること。今日、事件・事故に巻き込まれるかもしれない、明日生きている保証などどこにもない。大事なのは、自分が今、それをしている(経験・体験)という事実であると著者は訴えている。(「ストロベリー・ナイト」を思い出した)

あと余暇についても、何の役にも立たないことに時間を使い、その体験を純粋に楽しむこと、将来に備えて自分を高めるのではなく、ただ何もしないで休むこと、とある。そう思うと旅行に行くときも、あれもこれもと詰めすぎてそれをこなすことが旅行になっている(一種の仕事のよう)ような気がした。もっと余裕をもって楽しむことが大事だ。

筆者は、「時間をうまく使ったといえる唯一の基準は、自分に与えられた時間をしっかりと生き、限られた時間と能力の中でやれることをやったかどうかだ。どんな壮大なプロジェクトだろうと、ちっぽけな趣味だろうと関係ない」と記している。

そう、完璧な仕事など誰にもできない。今、生きていることを実感し、肩の力を抜いて、今をゆっくり、たっぷりと楽しもう。