この本はベストセラー(40万部売れてるらしい)になっているようで、どんな本なのか興味本位で読んでみた。
実は店頭に並びかけた時、齋藤孝が書いている本だと思い込み、同じ感じの書籍だと思い購入しなかった(著者は安達裕哉という元コンサルの方)。読んでみたら結構面白く、また読みやすかった。自分にとって役立ちそうな事柄を記述してみる。
本は2部構成となっていて、まず第1部は「頭のいい人が話す前に考えていること」として7つの黄金法則を紹介している。
まず頭がいいとは反応が早い、回転が速いと思っていたのだが、大事なことは「話す前にちゃんと考える」ことであるとしている。感情に任せて反応するのではなく冷静になることが必要であると。そのためには直感的思考である「早い思考(システム1)」より論理的思考である「遅い思考(システム2)」でいくつかのシナリオを比較検討することがポイントであるとしている。なるほど自分は割と直感で物事を判断したり話したりするが、それは早いだけで決して頭がいいというわけではないということか。この本では黄金法則その1として「とにかく反応するな」とある。
あと、このことは以前から自分も意識していることだが、”相手が何を求めているのか?”を想像するということ。
また、考え方の違う相手に自分の考えをどう伝えるかというためにも、論理的思考は必要ということも自分が常に意識していることなので、再確認できた。
人の信頼を得るため(頭がいいと思われるため)には、「人のことをちゃんと考えてくれてる」ことが大切で、黄金法則その3に挙げられている。この点は自分としてはあまり意識していなかった点だ。自己中心というわけではないが、人のためを強く意識しているわけではなかったので、改善する必要はあるかなと思った。
黄金法則その6にある「知識は誰かのために使って初めて知性となる」も、ちょっと刺さった言葉だ。美輪明宏氏がYouTubeで「知識と教養は違う」と発言されていたが、そこにも通じると思う。
最後の黄金法則7「承認要求を満たす側に回れ」は非常に難しいことではあるが、ぜひ自分の承認要求を抑制できる人間になりたいと思った。
第2部「一気に頭のいい人になる思考の深め方」では知性と信頼をもたらす思考法を紹介している。
ここでも日頃意識したほうがよい事柄がいくつか記述してある。
思い込みが強い認知バイアスに気を付けること。言葉の意味・定義をあやふやのせず理解すること。相手にとっての結論は何かを意識し、結論から話すこと。自分の言いたいことを考えながら聞くのではなく、相手の言いたいことを考えながら聞く。ほかにもすでに自分が意識していることも含め、なるほどと思えることが記されている。
元コンサルの人が書かれた本だけにうまくまとめられており、わかりやすい構成であった。
今後”コンサルティング”ということを意識して仕事を行うと「頭がいい」に少し近づけるのかな。